従来の樋門の設計は、樋門の各部分(門扉と門柱や上屋)に要求される機能を満たす諸元を個々に定め、これらの部分を組み合わせることで最終的な全体形状とするというアプローチである。
しかし、このようなアプローチでは全体形状を整えることは難しい。その結果として個別部分(例えば上屋)のみを奇抜な形にした設計や、全体として非常に不安定な印象を与える形などが生まれることになる。
棒川排水樋門においてはゲートの開閉形式を含めた構造的・機能的検討を実施した。デザイン的には、伝統的な水門・樋門施設のデザインサーベイから得た『「門構え」の原則』、『骨格尊重の原則』を適用し、門柱と上屋との一体化、門柱のラインの強調を意識したデザインを展開した。




棒川排水樋門